幕末〓冷血の鬼

芹沢の残した物

「芹沢を殺した。」


朝方に帰ってきた土方さんの言葉に私は目を見開いた。


「どうしてですか!!仲間なんですよね?」

「あいつは仲間じゃねえよ。新撰組の名に泥を塗りやがったからな。」


「でも芹沢さんは…!」


あの人は悩んで苦しんでいた。


正義とは何か?


あの人は道を外しただけで悪い人ではない。


私はそう思っていた。


私が黙って俯くと土方さんは懐から紙を出してきた。


「芹沢が残した物だ。」


私は恐る恐る土方さんが持っている紙を貰い開いた。


その紙には血で書かれていた句があった。

『雪霜に色よく花の魁けて 散りても後に匂ふ梅が香』
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