幕末〓冷血の鬼

池田屋事件

年月が流れ6月を迎えた


この頃長州共の動きが怪しく、山崎や島田、それから原田が町家を借りて長州の動きを見ていた。


他の隊士も代わる代わるに見張りをし、それから数日後情報が入った。


「土方さん、長州共のしようとしている事がわかりました。」


山崎はそう言って俺の部屋の天井から降りてきた。


「なんだ?」


「長州共は京のあちこちに火を放って混乱している中で御所に乱入して禁裡さまを盗み出し、長州に連れて行って倒幕の義軍をあげようとしています。」


「長州共ふざけやがって。」


俺はチッと舌打ちをした。
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