幕末〓冷血の鬼
「『恋花さんを殺しちゃいかん。わしの話を笑わずに聞いてくれた数少ない人間じゃき。もし恋花さんに何かしたらわしが許さんぜよ』てね。」


桂さんはそれを言うとクスクス笑った。


「龍馬さんがそんな事を言っていたのですか。」


「ああ。その話を聞いて晋作も恋花さんに興味もったみたいだよ。」


「晋作?」


「僕の仲間さ。高杉 晋作って言ってね、仲間思いだし正直者なんだけど血の気は多いな。敵には容赦しないし。」


「少し怖いですね…」


「根は良い奴だよ。」


「そう…ですか。私もう行きますね。」


「ああ。恋花さん、また会えると良いね。」


桂さんに見送られ私は池田屋に走った。
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