幕末〓冷血の鬼
池田屋に着くと、沢山の死骸が横たわっていて、中には新選組の羽織りを着たのもあった。


私は吐き気を抑え込み池田屋に入ると、平助を抱きかかえている沖田さんがいた。


「沖田さん!平助!」


「!!?恋花さん!貴女が何故こんな………ゴホッ…ゴホッ…ガハッ……」


「沖田さん!」


沖田さんは、咳き込んだかと思うといきなり血を吐いた。


「沖田さん!沖田さん!」


気を失っている平助と血を吐いた沖田さんを見て私は混乱し、涙目になってしまった。


すると沖田さんは血をついていない方の手で私の頭を優しく撫でた。
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