幕末〓冷血の鬼
「なんだ?」


「いえ、斎藤さんが手伝ってくれるなんて思わなかったので……」


斎藤さんは私とあまり関わりをもたず、むしろ避けていたくらいだった。


「早く見回りに行かなければいかないからだ。」


斎藤さんはそれだけ言うと先にさっさと行ってしまった。


「斎藤さんも正直じゃありませんね。心配だからって言えば良いのに。」


後ろから声がして振り返ると、沖田さんがいた。


「沖田さん!」


「なっ何ですか?いきなり大きな声を出して。」


いきなり大きな声を出した私に驚いて沖田さんは目を見開いた。
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