幕末〓冷血の鬼
『梅の花 一輪咲いても 梅は梅』


『人の世の ものともみえぬ 梅の花』



「土方さん、本当に梅好きですね。」


句によく梅が出てきてクスッと笑うと土方さんは頭を掻いた。


「前に梅の好きな理由言っただろ?」


「はい。言っていましたね。」


「もう一つ好きな理由がある。」


「何ですか?」


「梅の枝はな、折られたら次はもっと丈夫な枝が生えてくる。そんな強さをもっているから梅が好きなんだ。」


「土方さんらしいですね。この句…花見の時の句ですか?」


「どれだ?」
< 190 / 627 >

この作品をシェア

pagetop