幕末〓冷血の鬼
しばらく行くと案の定、平助は十字路でキョロキョロと辺りを見ていた。


「平助、何をやっている?」


「土方さん!もう此処まで来たの?流石鬼あし。」


「平助、お前恋花の場所もわからねえで、どうやって迎えに行こうと思ったんだ?」

俺がそう聞くと平助は頬をポリポリと掻いた。


「聞くの忘れてたんだよ。それより土方さん、聞きたい事がある。」


いきなり真剣な目をした平助の顔を俺はジッと見た。


「何だ?」


「土方さんって恋花ちゃんの事、好き?」

「何を馬鹿な事、言ってるんだ?」


俺が恋花を好き?


確かに、恋花は大切だがそれはあいつが女でまだ子供の部分があるからだろう。
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