幕末〓冷血の鬼
「あの菓子持ってきたから一緒に食べようと思って…」


そう言って藤堂さんが出してきたのは蓮の花をかたどった和菓子だった。


「可愛いですね!ありがとうございます。」


私は、そう言って1つ手に持ち口に入れると、自然と頬が持ち上がった。


「あのさ、敬語とか藤堂さんとか止めてくんない?」


「えっ?」


「あまり歳も変わらないしさ、俺の事は平助って呼んでよ。」

「平……助?」


「それで良いよ。」


平助は、そう言って私の頭をクシャッと撫でた。
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