幕末〓冷血の鬼
だから、恋花さんが俺達を屯所から送り出す時笑っているが本当は、不安で悲しい顔を毎回しているのも気づいていた。


そして、俺達が帰って来ると泣きそうな笑顔で俺達を迎えてたことも………


京が火の海になり屯所に帰った時も恋花さんは泣きそうな顔をしながら隊士達の手当てをしていた。


そして俺の手当てをしている時、とうとう恋花さんは涙を流した。


「恋花さん?」


俺がそう言うと恋花さんはハッとして、急いで自分の涙を拭った。


「ごめんなさい……何でもないので…」


俺達に心配をかけないように、いつもこいつは作り笑顔をする。


その顔を見ると心が痛んだ。
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