幕末〓冷血の鬼
「歳、そんなに目鯨をたてるな。今の新選組には数が必要であろう?」


「だけどな近藤さん………」


「伊東さんが我々の毒となるならば使い方によっては毒は薬となる。だから俺が伊東さんの考えを変える。それに平助だって北辰一刀流だぞ。」


確かにそうだ。


平助は、俺達の古馴染みだが近藤さんの道場で育ったわけではない。


俺や総司、近藤さんは天然理心流だ。


だが平助は違う道場で北辰一刀流を学んだ。


「平助は俺達の仲間だ。歳だって平助は仲間だと思うだろ?」


「当たり前だ。」


「だったら流儀にとらわれず、相手を見てみろ。」


「わかったよ。近藤さん。」


俺はそれだけ言うと部屋に戻った。
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