幕末〓冷血の鬼

土方side

恋花の事が気になり伊東の部屋に向かうと、部屋の中から声がした。


「あら、顔を赤くして可愛らしいこと。」

「何故そんなことを聞くのですか？」


声の主は、伊東と恋花で俺は無意識のうちに身を潜め、耳を立てていた。


「だって普通鬼の副長の小姓になりないなんて思わないじゃない。」


（伊東の野郎………）


伊東の言葉にイラついていると今度は恋花の少し怒った声が聞こえてきた。


「土方さんは鬼なんかじゃありません。不器用だけど優しい人です。」


恋花の言葉に俺はドキッとした。


「優しいのですか？」


「はい。」


伊東の問いに迷うことなく、すぐに恋花は返事をした。


「私もう少し屯所を見たくなったから見てくるわね。」


伊東のそんな声がして、俺は慌てて自分の部屋に行った。
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