幕末〓冷血の鬼
「土方さん、いらっしゃるかしら。」


部屋に居ると襖の奥から気色わりい女言葉を遣って伊東が声をかけてきた。


「いる。」


俺がそるだけ言うと伊東が襖を開け部屋に入って来た。


「お邪魔しますわね。」


「何の用だ。」


「あら冷たい。土方さんさっき私と恋花ちゃんの話聞いていたわよね?」


「気づいていたのか。」


「私を甘く見てもらっちゃ困るわ。」


伊東はそう言うとクスッと笑った。


「それで?」


「私、藤堂君に聞いてから新選組が本当に興味深いと思っているの。でもね此処に来てもう1つ気になる事が出来たわ。」


こいつが何を言いたいか大抵わかる。
< 245 / 627 >

この作品をシェア

pagetop