幕末〓冷血の鬼
「あの恋花ちゃんと言う娘。あの子は何故こんな所にいるのかしら?」


「あいつは谷の妹だ。親が亡くなり行くあてが兄の居るここしか無くなっちまった。」


「なら何故、あなたの小姓なのよ?」


「俺の小姓ならあいつに危害を加える奴がいないからだ。」


「理由はそれだけ?」


伊東は目を細めて俺に聞いてきた。


「何を言いたい?」


「何か理由があるのではなないかと思ってね。」


「何もない。」


「あら、そう。これは失礼したわ。」


伊東はそう言うと立ち上がり、俺の部屋から出て行った。
< 246 / 627 >

この作品をシェア

pagetop