幕末〓冷血の鬼
「山南さん、今日もお出かけですか?」


「はい。夕飯前には戻ってきますね。」


山南さんはそう言ってニコッと笑うと屯所から出て行った。


「山南さん今日も出かけんのか。ありゃあ女だな。」


後ろから声がして振り返ると原田さんと永倉さんがいた。


「左之助じゃねえんだから、ましてやあの山南さんだぞ。」


「でもよう新八、あり得なくはねえだろ。」


原田さんは、そう言って私をチラッと見た。


「確かにそうか。あの人だってそうだった。」


永倉さんはニッと笑い、私の頭をそっと撫でた。


「あの人って誰ですか?」


私がそう聞くと原田さんと永倉さんはプッと吹き出した。
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