幕末〓冷血の鬼
「土方さん、あんたヤキモチ妬いてんのか?」


「左之助、それ以上言うと………」


土方さんがそう言って自分の鞘に触れると原田さんは慌てて手を振った。


「冗談だよ!冗談。」


原田さんがそう言うと土方さんはチッと舌打ちをし、部屋に戻ってしまった。


「お~怖かった。土方さんすげえ機嫌わりいな。本当に殺されるかと思ったぜ。」


「今のは左之が悪い。俺だって今の屯所は正直居心地がわりい。平助もこの頃、伊東さんにくっついてばかりだし…」


永倉さんはそう言って肩を落とした。


「確かに平助、この頃見かけねえな。伊東さんの所にいたのか。」
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