幕末〓冷血の鬼
「総司なんかニコニコしているが、影で伊東の事すげえ言ってたぜ。」


「総司も前まで近藤さんにベッタリだったかんな。」


原田さんは、そう言うと苦笑いをし頭をかいた。


「山南さんは、穏やかな人だから俺らよりもこの空気に堪えられないのだろう。さて左之、俺達は見回りに行こうぜ。」


そう言うと原田さんと永倉さんは屯所から出てしまった。


「あら恋花さん、今日もご苦労様。」


「伊東さん!」


私がそう言うと伊東さんはニッコリと笑った。


「恋花さんは毎日大勢の隊の世話をしていて本当に感心するわ。料理も上手だし。」

「そんなことないですよ。」


「あら、謙遜するのね。それより…」


伊東さんはそう言うと辺りをキョロキョロと見回した。
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