幕末〓冷血の鬼
「総司、お前もか?」


「はい。近藤さんが素晴らしいから聞いて来いって言うので。」


「近藤さんも聞いたのか…」


俺はため息をつき頭を掻いた。


「目的がどうであれ伊東さんの歌はとても上手だと思いますよ。」


「目的……あれのことか。恋花、お前先に部屋に戻ってろ。」


俺がそう言うと恋花は頷き、部屋に戻って行った。


「総司、ここじゃねえ所で話すぞ。」


俺達は、屯所の大きな桜の木がある裏に向かった。


「ここなら良いだろ。総司、お前は座れ。」


俺はそう言って裏門にある木の椅子を指で指した。
< 292 / 627 >

この作品をシェア

pagetop