幕末〓冷血の鬼
「大丈夫ですよ。土方さんは心配症だなぁ。こんなに元気なのに。」


「良いから座れ。」


俺は総司があれからも、咳き込み陰で血を吐いているのを知っていた。


「わかりましたよ。だからそんな怖い顔をしないで下さい。」


総司はへラッと笑うと椅子に腰掛けた。


「それで話なんですが、隊の人達に聞いた所伊東さんは歌を読んだ後何人かに今の新選組をどう思っているか聞いたり、自分については来ないかと聞いたりしているようです。」


「やはりそうか。山南さんの死を使って隊士達を自分の方に引き込もうってのか………」


俺はチッと舌打ちをし拳を握りしめた。
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