幕末〓冷血の鬼
「土方さん?」


「もうそんな事言うな。」


そう言って、腕に力を入れると土方さんは、私から手を離した。


「ほら戻るぞ。近藤さん達が心配する。」


土方さんはそう言うと、私を置いてさっさと部屋に戻ってしまった。


私は、自分の体をギュッと抱きしめた。


(家族以外の人に抱きしめられたの初めて…)


土方さんの、温もりがまだ体にある。


私は、ゆっくりと土方さんの後を追うように部屋に戻った。
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