幕末〓冷血の鬼
「梅の花だな。」


「はい、沖田さんの和菓子を買ったとき目に入って………。」


「そうか。恋花、お前自分の分は買ったのか?」


「いえ。」


私がそう言うと、土方さんは和菓子を手に取り半分に割った。


「なら半分お前が食え。」


「でも悪いですよ。」


「悪くねえだろ。お前が買ってきたやつだ。」


「じゃあ頂きます。」


土方さんから和菓子を受け取り口に入れると甘さが口の中に広がり幸せな気分になった。


「美味いな。」


「はい。」


この一時がとても幸せに感じられる時間だった。
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