幕末〓冷血の鬼
だが高杉さんはふらつき直ぐに膝を地面につけてしまった。


「駄目です!少しここで休んで下さい!!龍馬さんと桂さんはこの事知っているのですか?」


私がそう聞くと高杉さんは眉を寄せた。


「龍馬は知っているが桂は知らねえ。」


「どうして、桂さんに言わないんですか?」


「あいつに知られたら俺は奇兵隊をおろされる。そんな事堪えらんねえんだよ。俺は今しか出来ねえ事があるんだ。」


高杉さんは真剣な目で私を見た。


「わかりました。桂さんには言いません。龍馬さんも言わないみたいですし。」


私がそう言うと高杉さんはニッと笑い私の頭を撫でた。
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