幕末〓冷血の鬼
「恋花さんが屯所に来たときから何処となく土方さんに似ていると思いましたが本当に似てますね。」


「何処がだよ?」


「自分を犠牲にしている所ですよ。土方さんも恋花さんももう少しご自分を大切にするべきですよ。」


「人斬り集団を束ねるためには、誰かが鬼にならなきゃならねえだろ?近藤さんには太陽の下で堂々と歩いてもらいたいんだ。だから俺は近藤さんの影になるんだ。とりあえず恋花は俺の部屋に連れて行くからお前は休んでいろ。」


土方さんはそう言うと恋花さんを抱きかかえ部屋に戻って行った。


私は桜の花弁が散るのを切ない気持ちでしばらく見た後布団に潜り込み、眠りについた。
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