幕末〓冷血の鬼
「将軍様が政権を朝廷に返上してしまわれただと?」


近藤さんは俺達の話を聞くと顔を青ざめていた。


「近藤さん落ちついてくれ。俺達ははじめ京にきたときには幕府など頭になかったはずだ。」


「それはそうだったが………。」


「俺達は本当の武士になるために集まった集団だ。たとえこの先今より酷い状態になっても俺達は武士の誇りを守って生きてかなきゃならねえ。だから近藤さん、あんたは動揺せずドッシリと構えていてくれ。」

「わかった。」


「あと近藤さん、もう一つ話がある。」


「何だ?」


近藤さんが首を傾げると襖がゆっくりと開いた。
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