幕末〓冷血の鬼
しかし、足を怪我したのか平助はその場にしゃがみ込んだ。


「平助!」


俺は周りを気にせずに平助の所に走った。

「何で……何で伊東さんを殺したんだよ?」


俺が平助の前に立つと平助は震えた声で俺に聞いてきた。


「伊東は近藤さんと土方さんを殺そうとしたんだよ。」


俺がそう言うと平助は目を見開いた。


「平助、お前は新選組に戻って来い。恋花も平助に会いたがっているぞ。」


「恋花ちゃんが?」


「ああ。だからお前はここで死ぬわけにはいかねえ。逃げろ。」


俺が逃げ道を開くと平助はゆっくり立ち上がり逃げ道を駆け出そうとした。
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