幕末〓冷血の鬼
「芹沢………。」


芹沢の隣には芹沢と同じ日に死んだお梅がいる。


「芹沢はんをよくも………。」


お梅の目から流れるのは涙ではなく、血の涙だった。


「土方さん、よくも私をやってくれましわね。」


足を捕まれ下を見ると、伊東が俺の足を掴んでいた。


「離せ!!」


俺はそう言って足を振ったが、伊東は俺の足から離れる様子がない。


「土方さん……俺……土方さんを恨んでいるから。」


顔を上げると今度は平助が現れた。


「平助……。」


平助はゆっくりと俺に近づいて来ると俺の首を絞めてきた。


「平………助。」


平助は口端を上げ俺の苦しむ様子を楽しむかのように見ている。
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