幕末〓冷血の鬼
そして恋花に触れた手についているのは赤い血………。


「恋花!おい恋花!」


「土方、強欲は身を滅ぼすと言ったはずだ。お前は周りの人間を何人殺せば気が済む?」


再び現れた芹沢はニヤリと笑い恋花を見た。


恋花は、ゆっくり目を開いた。


「恋花!」


「土方さん、あなたは鬼よ。私を殺したのはあなた…。」


恋花の涙は血の涙で俺を睨みつけてくる。

「あなたが憎い。殺してやる!」


恋花がそう言うと今まで消えていた奴らが刀を持って一斉に俺に斬りにかかった。


「やめろぉぉぉ~!!!」


「………さん!!土方さん!」


ハッとして目を覚ますと見覚えのある天井と心配そうに見つめる恋花の顔が目に映った。
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