幕末〓冷血の鬼
「恋花、どうした?」


やっとの事で出せた言葉は、これだった。


恋花は、月から視線を離し俺を真っ直ぐ見た。


そして恋花が言った言葉に俺は驚いた。


「土方さんは、貴方は月が好きですか?」


(こいつ何を言ってやがる…)

俺は、何も言えずにいた。


そして恋花は、フッと笑うと


「私は、月が嫌いです。人が何人死のうとも、どんなに苦しもうとも月は輝き続ける。まるで、人にどんな事が有っても世界が変わらないみたいで……」


そう言ったんだ。
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