幕末〓冷血の鬼
「恋花、いるか?」


俺がそう言うと恋花は襖を開けた。


「土方さん。寒いですから部屋の中へどうぞ。」


恋花にそう言われ部屋に入ると恋花は黙りこんでしまった。


「恋花?」


「明日、行ってしまうのですね……」


恋花は俯いたままポツリと言った。


「ああ。行かなきゃならねえからな。」


「私、初めて男に生まれてればと思いました。男だったら土方さん達と一緒に刀を振るい皆を守る事ができるのに………私は、今何も出来ません。」


恋花は、ギュッと拳をつくった。


「恋花、顔を上げろ。」


「嫌です。」


「良いから上げるんだ。」


俺は恋花の顎を掴み強引に顔を上げさせた。
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