幕末〓冷血の鬼
「お前、なんで泣いてるんだ?」


恋花の目からは止めどなく涙が流れている。


「何も出来ない自分が悔しいんです。今回の戦は今までとは違く大きな戦になるのでしょ?」


「まあな。でもな恋花、お前は何も出来ないわけじゃねえよ。」


「何も出来ませんよ!!私は役立たずで……っ!!」


俺は恋花の顔を上げさせたまま恋花の唇に自分の唇を重ねた。


「お前は、ちゃんと俺達の役にたっている。」


驚いて何も言えずにいる恋花を抱きしめて俺は話を続けた。


「俺はお前に支えられていた。お前の笑顔が見たくて、死ぬわけにはいかねえて思ってたんだ。だから恋花、お前は役立たずなんかじゃねえ。」
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