幕末〓冷血の鬼
「私には近藤さんや土方さん以外に憧れの人がいました。」


「えっ?誰ですか?」


「誰だと思います?」


沖田さんは楽しそうな顔で聞いてきた。


「永倉さんとかですか?」


「確かに永倉さんは凄いですけど私が憧れてた人は新選組の人ではありません。」


「新選組じゃない人………。」


「降参しますか?」


「………降参します。」


私がそう言うと沖田さんは、少し切ない顔をした。


「坂本さんです。」


「龍馬さんですか?」


龍馬さんは新選組とは敵だった人物。


新選組を第一に考える沖田さんが敵となる龍馬さんを何故憧れていたのかわからず私は頭を傾げた。
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