幕末〓冷血の鬼
「俺のガキの頃の名前だ。ガキの頃は俺の名前は勝太だったんだ。」


「そうだったんですか。」


「歳は、壬生狼組になってから俺のことを近藤さんと呼ぶようになったが、2人の時はたまにかっちゃんと呼んでくれんだよ。」


近藤さんは、そう言ってヘラッと笑った。

「歳、狸寝入りはそれくらいで良いんじゃないのか?」


「えっ?」


近藤さんの言葉に驚いて土方さんを見ると土方さんは目を開いていた。


「近藤さん、何時から気づいていたんだ?」


「恋花君に歳の話をする前だ。眉がピクッと動いたからな。」


「近藤さんには適わねえな。」


土方さんはそう言って頭を掻いた。
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