幕末〓冷血の鬼
「永倉達だって弾の中にいるってのに、俺は安全な所で見てろと言うのか?」


俺がそう言うと原田は黙って俺の目を見た。


そしてしばらくすると、諦めたのかハアとため息をつき立ち上がった。


「わかったよ。だけど土方さん。あんた絶対死なねえでくれよ。」


「俺を誰だと思ってやがる?泣く子も黙る新選組の鬼の副長だぞ?そう簡単には死なねえよ。」


俺がそう言うと原田はニッと笑った。


そして永倉達の所に駆けると薩摩の奴らの方から砲弾が次から次へと降ってきている。


「永倉、少し待て。それ以上飛び出すな。」


今にも砲弾の方に飛び出そうとしている永倉の肩を掴むと、永倉は驚いた様子でこっちを向いた。
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