幕末〓冷血の鬼
「土方さん!あんた何故ここにいるんだ!?」


そう言って俺の肩を掴んだ永倉の頬を銃弾がかすめた。


「よそ見をするな。今は飛び出すな。暗くなるのを待て。今のままじゃ分が悪い。」

「……わかった。」


永倉はそう言うと隊士達に伝令を回し、俺達は夜を待った。


夜になる頃には、辺りには死体が転がっており血の臭いが漂っていた。


「無闇に突っ込むな。この暗さだと奴らの鉄砲の発火が目立つはずだ。その発火にめがけて突っ込め!」


俺がそう言うと隊士達は、発火がする方向にめがけて突っ込んで行った。


俺達も発火がする方へ突っ込み、ついに敵を崩す事に成功した。


そして敵は、北の方へと逃げた。


「北につづけ!!」


俺がそう言って走ると隊士達も一斉に俺の後ろを走った。
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