幕末〓冷血の鬼
「土方さん。」


総司の部屋に行くとちょうど松本先生と話をしていて俺に気づくと総司は俺に笑顔を向けてきた。


「久しぶりだな。」


「はい。本当に久しぶりですね。」


久しぶりに見た総司は前にも増して痩せており腕なんか棒のように細くなっていた。

「それより土方さん、今回は大変だったみたいですね。」


総司は俺の視線に気づいたのか首まで布団にもぐりこませてしまった。


「まあな。」


「私がこんなんでなければ加勢ができたのに……。」


「気を急ぐな。お前はゆっくりと病状を良くしていけば良いんだ。」


俺がそう言うと、総司は寂しげに微笑んだ。
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