幕末〓冷血の鬼
「はい……。あの恋花さんは?」


「恋花は元気だ。今は怪我人の手当てをしてもらってる。」


「そうですか。なら私も早く治して恋花さんとの約束を果たさないといけませんね。」


「約束?」


俺がそう聞くと総司はニコッと笑った。


「2人だけの秘密です。」


そう言って自分の口元に人差し指を当てた仕草は子供っぽい。


「俺にも秘密なのか?」


「はい。」


総司がここまで言っているのだから本当に言うつもりはないのだろう。


「まあ、良い。今度来る時は、恋花も連れて来る。」


「わかりました。」


総司が笑顔で頷くのを見ると俺は部屋から出た。
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