幕末〓冷血の鬼
「土方さん!!大変だ!!」


屋敷に戻ると原田が勢いよく俺の所に走って来た。


「どうした?」


原田の慌てぶりからただ事ではないと思ったが俺は冷静に問い返した。


「徳川 慶喜公と会津中将はもう城にいないんだってよ!!」


「それは本当か?」


「ああ。」


原田と俺が話をしていると今度は永倉が走ってきた。


「土方さん、やっと戻って来たか。屋敷内が大変なんだ。隊士達が動揺し始めて騒ぎ出してる。」


「わかった。屋敷に入る。」


徳川公が逃げた事に腹を立て俺は唇を噛み締めた。
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