幕末〓冷血の鬼
「近藤さん。」


「歳か。どうした?」


「徳川公が城から消えた。」


「そうか。」


近藤さんは驚きもせずに、落ち着いた様子だった。


「近藤さん、もしかしてあんた………この事知ってたのか?」


俺がそう聞くと近藤さんは俺から目を反らした。


「知ってたんだな?」


「隠そうとしたわけではないんだ。」


「なら何故言ってくれなかった?」


近藤さんは、そう言うと黙ってしまった。
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