幕末〓冷血の鬼
「土方さん、近藤さんを責めないで下さい。近藤さんは言いづらかっただけですよ。」


声がして振り返ると壁に寄りかかってこっちを見ている総司がいた。


「総司、お前は寝てろ。」


「土方さんの怒鳴り声が隣まで聞こえてきたんですよ。なのに黙って寝てなんかいられません。それに私も知っていましたよ。徳川公の事。」


総司はヨレヨレと歩きながら近くにあった椅子にゆっくり座った。


「お前も知っていたのか?」


「はい。」


「て事は、俺だけ仲間外れって事だったんだな?」


俺が総司を睨むと総司は何故か微笑みを返してきた。
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