幕末〓冷血の鬼
「土方さんはすぐに拗ねますね。子供じゃないんですから。少しは落ち着いて下さい。」


「お前には言われたくねえな。」


「近藤さんが土方さんに言わなかったのは、敗戦の後だったからこれ以上土方さんを落ち込ませたくなくて言わなかったんですよ。私は、近藤さんが言わない限り言うつもりはありませんでしたし……。」


「すまなかったな、歳。落ち込ませない為に黙っていたのに逆に傷つけてしまったな。」


近藤さんはすまなそうな顔をして俺に謝ってきた。


「今度からはわかった事があったらすぐに教えてくれ。」


「ああ。」


「総司、おぶってやるから部屋に戻るぞ。」


俺がそう言うと総司はクスッと笑った。
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