幕末〓冷血の鬼
「恋花ちゃん。入って良い?」

「良いですよ!」


いきなり襖の奥から声がして、私は急いで涙を拭い出来るだけ明るい声を出した。


「今日、非番でさ。話しようと思って。」


そう言って入って来たのは平助だった。


「そうだったんだ。私も暇だったから話そっか。」


私が、そう言って笑うと平助は私の頬に手をあててきた。


「恋花ちゃん。泣いてたでしょ?」


「えっ?」


「頬に涙の跡が残ってるよ。何か有った?」


平助に相談したい。


でも、平助は困らないだろうか?
< 45 / 627 >

この作品をシェア

pagetop