幕末〓冷血の鬼
「恋花さん………ありがとう。」


俺は恋花さんがいなくなって1人になった部屋でポツリと言った。


目からは涙が流れ辺りは歪んで見える。


(こんな格好悪い姿を好きな人に見せたくないからな。)


何年ぶりに泣いただろうか?


最後に涙を流したのはいつかなんて覚えてもいない。


でも今流している涙は悲しい涙ではない。

俺は、嬉しいんだ。


新選組の皆と一緒にここまで来れて。


恋花さんが新選組と共に過ごしてくれて。

幸せだった。


土方さん達には感謝している。


「ありがとうございます。皆。」


俺は、ゆっくりと目を瞑った。
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