幕末〓冷血の鬼
「そうか。なら今度訪ねるよ。」


俺がそう言うと、苗はパアッと顔を明るくさせた。


「やった!としにい約束ね!!」


「ああ。約束だ。」


俺が頭を撫でると苗はニコニコと笑って俺を見てきた。


それから菊と苗と話をして、俺は道場に帰った。



「かっちゃん。ただいま。」


「歳、遅かったな。」


「少し寄り道をしてきた。」


「そうか。歳が寄り道なんて珍しいな~。」


「なあ。かっちゃん。」


「なんだ?」


「俺……今日初めて人を殺した。」


俺がそう言うと近藤さんは、目を見開き驚いた顔をした後、悲しそうな顔をした。
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