幕末〓冷血の鬼
「近藤さんのせいじゃねえよ。俺の心が弱かったのが悪いんだ。」


この刀を振るう時代。


いつかこんな日が来ると心の中で思っていたが、俺には覚悟がなかった。


(これじゃあ、かっちゃんを立派な大将に出来ねえじゃねえか。)


俺は拳を作り握り締めた。


「かっちゃん、俺強くなるから。腕だけじゃねえ。心も強くなって侍になってぜってえあんたを立派な大将にする。」


俺がそう言うと近藤さんは頷いた。


「ああ。」


それから俺達は苗達の墓を作った。



「すまない苗……俺は侍になる。あの世で見ていてくれ。」




それから数年後、幕府の浪士募集という話がきて俺達は京に移った。


そして俺達は壬生狼組とよばれ、俺は隊士達から冷血の鬼と呼ばれるようになった。
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