幕末〓冷血の鬼
恋花は、そんな俺を見ると寂しげに笑った。


「土方さん、あの時から色んな事がありましたね……。龍馬さんや平助はもう…。」

恋花はそう言うと俯いてしまった。


「恋花?」


俺は恋花が泣いたと思い近寄って、顔を覗き込んだ。


すると急に恋花は俺に抱きついてきた。


「怖いんです。少し時間が経つだけで、大切な人達が次々に亡くなっていって…。」


恋花はそう言いながら俺に回している腕の強さを強くした。


「恋花……。」


「皆に置いてかれて最後には1人だけ残されそうで怖いんです…。」


恋花の腕をよく見ると震えている事に気づいた。
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