幕末〓冷血の鬼
「土方さん、待ってくれ。」


部屋から出て廊下を歩いていると、左之と新八が俺の所に走ってきた。


「何だ?」


「聞きてえ事があるんだ。ここでは隊士達に聞かれる。土方さんの部屋で良いか?」

新八は、真剣な顔で俺に言ってきた。


「ああ。」



それから無言で歩き俺の部屋に入ると、と新八は胡座をかき、口を開いた。


「土方さん、あんた今の近藤さんを見ていてどう思う?」


「どうだと?」


俺が問い返すと今度は左之が口を開いた。


「今の近藤さんは、昔と違う感じがしねえか?昔は身分とか気にしねえで、ただ人を助ける事に喜びを感じる人だった。だが今は……。」


左之と新八の言いたい事はわかった。
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