幕末〓冷血の鬼
「近藤さん、いるか?」


「歳か。入れ。」


襖の奥からは近藤さんの上機嫌な声が聞こえた。


俺は襖をゆっくり開け座ると近藤さんの顔をジッと見た。


「どうした?歳。」


「近藤さん、今回の戦。あんたはどう思う?」


俺がそう聞くと、近藤さんは不思議そうな顔をした。


「ん?報酬のことか?」


「ちげえよ。今回の戦は今までのとは違う。」


「違うだと?」


近藤さんは鳥羽伏見の戦いに混ざってないから知らないのだろうが、敵の武器は優れている。


「どんなことがあろうとお上から報酬を頂くのだ。俺は報酬の為なら命をおしまん。」


「そうか。」


やはり近藤さんは、昔とは違くなってしまったのだと改めて知った。
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