幕末〓冷血の鬼
なのに恋花は俺の言葉など気にせずに部屋に布団を広げた。


「土方さん、休むのも立派な仕事です。休ませないとそのうち倒れますよ!」


「俺の体はそんなにヤワじゃねえよ。」


俺がそう言うと恋花は顔を膨らませた。


「私、休むまで土方さんの部屋から出ませんから。」


「勝手にしてろ。」


俺はそう言うと机に体を向け恋花に背を向けた。


(そのうち部屋に帰るだろう)


そう思った俺は仕事に専念した。


それからしばらく経っても恋花が部屋から出る様子がない。


(まだ帰らねえのか…)


もうそろそろ部屋から追い出そうと振り返ると恋花はスースーと寝息をたてながら眠っていてしまっていた。
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