幕末〓冷血の鬼
「ハハハハ。朝から男を押し倒すなんて恋花も大胆だね。」


「ちっ……違います!!」


「新八、あまり恋花をからかうな。それより恋花頼むから、もうどけてくれ。」


「すいません!」


私が慌ててどけると原田さんは、ゆっくり体を起こした。


「すいません…。押し倒してしまって。」


改めて謝ると原田さんはポリポリと自分の頭を掻いた。


「いや、俺も急に出てきたしな。」


「でも恋花に押し倒されるなら、左之より先に俺が部屋から出れば良かったな~。」


「馬鹿言うんじゃねえよ、新八。てか恋花、なんであんなに慌てて廊下を走ってたんだ?」


原田さんはそう言って首を傾げてきた。
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