幕末〓冷血の鬼
「私は、この状態で刀を振るえません。近藤さんのそばにもいられないし、あなたの事を守る事も出来ない。だから、せめてこれはあなたが持っていて下さい。」


私は、沖田さんに渡された御守りをジッと見た。


ずっと昔に近藤さんからもらった物のようで少し汚れている。


私はその御守りをギュッと握りしめた。


「わかりました。生きて帰ってきて沖田さんにこの御守りを返します。」


沖田さんは、そう言うとニコッと笑った。


「ありがとうございます。忙しいなか私のところに来てくれて嬉しかったです。でももう外も暗くなってきています。もうそろそろ帰った方が良いでしょう。」


「そうですね。」


私がそう言って立つと沖田さんはジッと私を見た。


「恋花さん、お気をつけて…」


「はい。あ…沖田さん、金平糖良かったらどうぞ。」


「ありがとうございます。」


私は沖田さんに頭を下げると部屋から出て来た道を帰って行った。
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