幕末〓冷血の鬼
「ふっ………うっ……。」


こんなにも私の力は衰えてしまったのか。


小さくて軽い金平糖さえも力を入れないと持てない。


(私は……いったい何をしているのでしょう?)


大切な人達が…仲間が剣を振るって、命をかけて戦おうとしている。


愛おしい人が、仲間の為に命をかけて戦場に行こうとしている。


なのに私は、大切な仲間と一緒に剣を振るう事が出来ない。


愛おしい人を、この手で守ることさえ出来ない。


私は、ただ布団に寝て日に日に弱まっていく自分の体を恐ろしいと思っているだけだ。
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